‟破滅する事が分かり切っているにもかかわらずそこへ向かう心境とは”
9mm Parabellum Bulletの新曲「泡沫」
曲中では自己否定も垣間見えるが、それでも受け入れて生き切る意志を感じる楽曲となっている。
前段で出てきた “自己否定” と言うキーワード。下で綴ったこの箇所では、それらを滲ませる言葉が登場している。
‟どうして どうして どうして いつも
逃げられないんだ 傷付くことから
生まれて こわれて 消えゆく さだめ
受け入れられない 僕らのせいなの”
この歌詞で表現されているのは、人生における苦悩と恐怖だ。
‟受け入れられない…” の辺りからは、心理的に出来沸く事象や現実をなかった事にしたいと言う無意識的な抵抗を表している。
これらは私たちの人生の中で数え切れない程、噴出してくるものだ。それらに付帯した感情の奥にある本音を見ていくのだ。それらの事象から事実を観て ‟出て来る感情と向き合う事” でしか人生は変わらないのだ。
話がそれてしまった。
今回の新曲「泡沫」で、心の奥底に仕舞い込んでいる不安や恐怖等を引き出すきっかけを作りだしたと言っても過言ではないだろう。
‟9mm Parabellum Bullet、恐るべし!” である。
今までの激しさを以て体現するスタイルから、徐々に表現の幅の広さを増してきている。今作での9mmは静かに聴く者達の心を浸食していく、それは破壊と言う名目の浸食である。
一体9mmは、私達ファンをその深淵な世界観にどこまで沈めてくれるのだろうか?と思わずにはいられない。